たらの芽には毒がある?毒といわれる原因と食べ方のポイントをご紹介♪
まだまだ寒いですが、そろそろ暦の上では春が近づいてきています。よく見ると梅のつぼみも少しずつふくらんできています。春が待ち遠しいですね。
食事に出かけると、季節を先取りして春の食材を目にするようになってきますね。フキノトウやたらの芽などの山菜は、特に春の訪れを感じさせてくれますよね。
最近は栽培されているものも増えて、スーパーで手に入りやすくなりましたが、やっぱり野山で摘み取ったものがおいしいですね。山登りの好きなおじいちゃんが摘んできてくれたものは格別でした。
ところで、たらの芽には毒があるって聞いたことはありませんか?「毒たら」に気を付けて、という声かけもあるようですが、ふだん食べているたらの芽は大丈夫なのでしょうか?
そこで今回は、たらの芽には毒があるのか、たらの芽ってどんな植物なのかについてご紹介いたします。
たらの芽には毒がある?毒たらって何?
たらの芽は、ウコギ科のタラノキの新芽です。ちょうど桜が咲き始めるころに、タラノキから芽吹いてくる新芽がたらの芽です。
たらの芽は「山菜の王様」とよばれるほどに、山菜の中でも親しまれている植物です。ほのかな苦みがおいしいですよね!この苦みは、たらの芽のアクです。
3~5㎝にほどよく芽が伸びた状態だと、適度な苦みです。でも、あまり伸びすぎるとアクが強くなり、苦みが強く出てえぐくなります。もしかして、これが毒?
たらの芽には毒がない
実は、たらの芽にはアクがあっても毒はありません。では、なぜ「毒たら」とか「毒に注意」というような話がきかれるのでしょうか?
それは、たらの芽によく似たウルシの芽のことを指しているんです。ウルシの芽で、アレルギーなどを起こしてかぶれたりする原因になります。
漆かぶれに注意!
みなさんご存知の通り、漆はさわると発疹が出たり、かゆくなったり、ひどい場合は赤くはれ上がったりします。これはウルシの樹液に含まれるウルシオールという成分で、体がアレルギー反応を起こすためです。
個人差があり、軽く済む場合もあればウルシの木の近くを通っただけで症状が出てしまう場合もあり、注意が必要なんです。そういった注意喚起のために、「毒たら」と呼ばれてきたのかもしれませんね。
ですので、実際は毒が入っているわけではないので間違って食べても、致命的な危険性はほとんどありません。
アクを上手にとるには?ほどよく苦みを味わうためのコツ
ウルシは食べられなくはないですが、口にすると舌や口の中がピリピリしたり、先ほどご紹介したようなアレルギー症状で大変なことになるかもしれないので、あまりおススメできません。
たらの芽は、その点安心して食べられます♪ほどよい苦みを楽しむためには、ちょっとしたコツがあります。
サッと塩ゆでしてアク抜き
あまりゆですぎると、風味も食感も失われてしまいますが、このちょっとしたひと手間でおいしさがアップします!
- ハカマの部分を切り取ります。
- 2%の塩分のお湯を沸かして、2分ほどたらの芽をゆでます。
- 冷水にとって、しばらくさらしておきます。
詳しいタラの芽のあく抜き方法はコチラ↓↓
小さくて芽がそれほど伸びていないものなら、さっと湯通しする程度で十分です。定番の天ぷらはもちろん、ゆであがったものをポン酢につけるだけでおいしく食べられます。
たらの芽を使った料理
- 天ぷら
- お浸し
- 炒め物
- パスタ
さっとゆでて鰹節と醤油で和えるのも良し、ニンニクとオリーブオイルでパスタと一緒に食べるのも良し、いろんな食べ方が楽しめますね♪
ウルシ以外によく似た山菜は?たらの芽との見分け方は?
たらの芽は、ウルシの芽の他にもよく似たものがあります。
- コシアブラ
- ハリギリ
どちらも毒はありません。見た目が良く似ているので、間違えやすい植物です。
見分けるポイントは、コシアブラは色と棘の違いです。コシアブラの芽はたらの芽に比べて、きれいな黄緑色をしており、表面にトゲトゲがありません。見た目がすっきりしていて「山菜の女王」と呼ばれます。
ハリギリの芽は、たらの芽よりも先がややとがった形をしています。また、芽の出る幹にはどちらも棘が生えていますが、ハリギリの方が鋭く長い棘をしています。
ハリギリもコシアブラも、アクが強くてたらの芽よりも苦みがあります。山菜好きな方は、より風味を感じられるためハリギリやコシアブラを好む方も多いようですよ。
ちなみに、たらの芽には棘のある男だらと、棘のない女たらがあります。スーパーで売られているのは多くが女たらで、自生しているのが男だらです。
旬のたらの芽で、ミネラルやβカロテンなどの栄養も取って、元気な春を迎えたいですね♪