あんずの種には毒がある?粉末にするのは危険!
きれいなオレンジ色と甘酸っぱいジューシーな香りのあんず。なんだか元気が出るフルーツですよね。甘いもの好きな私にとっては、チーズケーキの上に塗られたジャムのイメージが強いです。
あんずジャムや砂糖で煮詰めてシロップ漬けにしたのを、ケーキやクッキーの上にのせてあるのもいいですよね♪梅と一緒にホワイトリカーに漬けて、果実酒にされる方もおられます。
こんなふうに色々な楽しみ方があるあんずですが、実は種に毒があるってご存知ですか?ふだん何気なく食べている果物に毒?!ちょっと考えられないですね!
そこで今回は、あんずの種に毒があるというのはホントなのか?どんなことに注意すればよいのかについて、ご紹介いたします。
あんずの種には毒がある?驚きの事実とその正体とは!
あんずは、ウメや桃、リンゴ、サクランボ、ビワなどと同じバラ科の植物です。これらの果物に共通しているのは、種に同じ成分が含まれていること。それは、アミグダリンという物質です。
毒のもとになるのはアミグダリン
アミグダリン自体は毒性がありません。しかし、酵素などで分解されると有毒な青酸を発生します。青酸は、非常に毒性が強くて一度に大量に摂取すると、中毒症状により死に至る場合もあるのです。
青酸による殺人事件、テレビでもよく目にしますよね・・・。
毒と薬は紙一重!種の使用は専門知識や経験が必須!
あんずの種には、仁という部分があります。非常に硬い殻に閉じ込められていますが、割ると小さなかたまりが入っていて、これが仁にあたります。
アミグダリンが多く含まれるのは、この仁です。ですので、それ以外の部分を食べてもアミグダリンを摂取してしまう心配はほとんどありません。
「杏仁」は漢方薬として活用されてきた
毒を含む種ですが、実はこの種こそが、かつて私たち人間が必要とした部分でした。時は2000年以上昔にさかのぼりますが、原産国の中国などでは咳止めや喘息の改善のために杏の種を活用してきたのです。
種から仁を取り出し、天日干しで乾燥後、粉末にする
効果
- 咳止め
- 整腸作用
- 疲労回復
- 貧血予防
- かゆみ止め
これらの効果の源は、なんとアミグダリンです。ごく少量であれば、たとえ青酸が生じても体内できちんと排泄できるのです。
このような適切な調整は、専門家ができることであって、ご家庭で種を粉末にして食べるのは危険です。また、レシピサイトで紹介されているものでも安易に調理しない方がいいです。
専門知識と多くの経験によって、量を調節することにより、薬としての使用が成り立っていたのですね。
あんずを食べる際の注意点は?種ごと加工しても大丈夫?
もともと、あんずは酸味の強い果物で、そのまま食べるよりはジャムやシロップ漬けなどに加工して食べることが多いです。原産地から、西洋やアメリカへ伝わって後、甘みある品種に改良されました。
品種によっては、生で果実を食べられるものも栽培されるようになっています。種の毒は大丈夫でしょうか?
成熟した種にはアミグダリンは少ない
では、種ごと加工した場合はどうでしょうか?梅酒同様、あんずも種ごとお酒に漬けますよね。
砂糖漬けやアルコール漬けでアミグダリンは分解される
加工した場合も、種の毒性はかなり低下します。種ごと漬けて、でてきたエキスを飲んでも人体に影響はありません。
種をそのまま粉末にして口にするのは危険です。
成熟しても砂糖漬けにしても、種を食べるのは控えましょう。
というのも、安易に種を乾燥させて粉末にすると、アミグダリンが多く残っている恐れがあるので危険だからです。
アミグダリンの副作用は怖い!健康に良いという根拠は?
漢方薬として長く活用されてきたので、確かに使い方次第では体によい物質かもしれません。医療現場でも、がんの治療目的にアミグダリンが取り入れたられた事例もあります。
アミグダリンと同様の物質を人工的に作り出し、これによってがん細胞の活動を抑制しようというものです。この物質はレートリルと名付けられて、一時期多くの患者様の治療に使われました。
しかし、治療の結果は明らかな効果は認められず、レートリルだけでがんが完治したり、大きく改善したという例はありませんでした。同時に、他の治療方法も必要な例が多かったのです。
また、アミグダリンはビタミン17という別名がありました。しかし、明確な効果はなく、現在はビタミンとして認められていません。
がんの治療でも、ビタミン17としても、副作用が問題でした。治療効果を得るため、健康のために、服用し続けることで、体の処理能力をこえ青酸中毒を起こしてしまうのです。
今では、ネットやテレビなどで様々な情報が錯そうしていて、料理サイトでもあんずの種を使ったレシピも見受けられます。やはり専門的な知識が必要ですので、ご家庭での種の使用には十分注意してくださいね。
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