桃の種に毒があるって本当?青酸!?桃仁って何?
暑い季節においしい桃。あま~い香りと果汁たっぷりの甘い果実がとってもおいしいですよね♪お店に並んだ桃の中から、どれが一番おいしい桃か選ぶのも楽しいです。
桃は生のまま食べることが多いですよね。柔らかい皮をむいて、これまた柔らかい実をつぶさないようにやさしく切り分け、種を残します。上手なむき方がレシピサイトや動画サイトに掲載されてます~。
結構大きな種ですから、ふつうはあまり食べることはないですが、実は薬用に使われてきた部分でもあります。そういえば、桃の葉エキスが肌にいいなんて聞いたことがあるかも!
しかしながら、桃の種には毒がある、という一面もあるんです。あんなにやさしい果物に毒なんて、食べて大丈夫なのか心配になっちゃいますね。
そこで今回は、桃の種の毒とはどんなものなのか、ふつうに食べても大丈夫なのかどうかご紹介いたします。
桃の種には毒があるって本当?
桃の果実の中には大きな種がありますよね。この種は、核果と呼ばれる部分で固い殻におおわれています。この殻を割ると、中に種子が入っています。
桃の種子にはアミグダリンが多く含まれています
このアミグダリンという物質が、毒の原因です。たしかに、桃の種には毒になりうる物質が含まれています。
- そのままだと無害
- 胃酸などで分解されて青酸を作る
え!?青酸?なんと猛毒の青酸を体内で作り出してしまうとは、びっくりです!
ご存知の方も多いですが、青酸は人を死に至らしめる強い毒性があります。体に酸素をおくる機能を奪い、どんどん生きる機能を失います。
頭痛、めまい、呼吸困難、けいれんなどを引き起こして、重症の場合は心停止してしまいます。
少量なら心配ありません
青酸の致死量は60mgで、アミグダリンからこの量を作るにはかなり多くの量が必要です。桃の種からだと、数百個以上食べなくてはいけません。
間違って種をかじってしまったり、一粒くらい口にしてしまっても中毒の心配はありません。
桃の種「桃仁」は生薬のひとつ
先ほどご紹介した、桃の種子。かたい殻を割って、中から出てくる種子のことですが、これは「桃仁」とも呼ばれています。
桃仁とは?桃の種子を乾燥させたもの。生薬のひとつ。
桃仁を使っていくつかの漢方薬が作られていて、
- 生理不順
- 便秘
- 更年期障害
などに効果的なものがあるんです。
桃は中国原産で、弥生時代に日本に伝わったとされます。遠く昔から桃の種は、大切に使われていていたんですね!
ただ、これらの効果を期待するあまり桃仁を摂りすぎると、アミグダリン過剰の危険があります。また、早死産の恐れもあるので、妊娠中には禁忌とされます。決められた用量を守りましょう。
生薬にするのは専門知識が必須!
桃仁など生薬は、高度な専門知識に基づいて作られます。種を粉末にするレシピなどをみつけても、ご家庭で作らないようにしましょう。
栄養面では、ローションなどに使われる桃の葉エキスもありますし、果実には食物繊維やカリウムやカテキンなどの栄養がたくさん含まれています。
桃は、種にも葉にも有効成分が含まれて、大変優れた果物です。そのため「仙人の果物」と呼ばれているんです。
桃を食べる時の注意点は?種はどうすればいい?
たくさんの栄養がある桃ですが、やはり食べ方によっては青酸中毒の恐れもあるので注意したいところ。
未熟な果実には注意
アミグダリンはほとんどが種子に存在していますが、未熟な時は果肉にも含まれている場合があります。
お店で買って食べる場合は、未熟な桃を食べる機会は少ないですね。味覚狩りも、たいてい食べ頃の季節に行われるのであまり心配はありません。
もしも、青い未熟な桃をみかけたら、口にしないようにしましょう。小さなお子様は好奇心でかじってしまうこともあるので注意してあげてください。
また、犬などペットとご一緒のときも注意しましょう。種を噛み潰してしまうと、青酸中毒を起こしかねませんし、殻ごと飲み込むと腸閉塞の危険があります。
熟した桃のアミグダリンはかなり減っているので安心!
成熟するとともにアミグダリンは分解されますので、熟した桃にはほとんど残っていません。そのために、ふつうに食べても中毒を起こすことはないのですね♪
未熟な桃にだけアミグダリンが多いということを知っておくと、桃を食べる時には安心できます。
また、アミグダリンは桃と同じバラ科の植物の種にも含まれています。以下の記事も参考になさってください♪
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