みかんの皮にも栄養はあるの?β-クリプトキサンチンとは?
果物がおいしい季節になりましたね。梨、ぶどう、柿、りんご…秋においしい果物はいろいろありますが、秋から冬にかけてよく食べるのは、やっぱりみかん♪
持ち運びしやすいし、手軽に食べられるので、お出かけにも持っていきやすいし、「こたつでみかん」は日本の冬の定番ですよね。
みかんを食べた後に残るのが、外皮。普通は捨ててしまうか、せいぜいお風呂に入れたり、掃除の時にこすったりする程度。あまり食べたいと思うことはないですよね。
でも実は、みかんの皮って栄養が豊富だって知ってました?そのまま食べると、農薬も気になるし、おいしいとは言えないけど、加工すると食べられるんですよ。
食べるのはちょっとためらうかも…でも栄養があるなら、食べてみたいですよね。
みかんの皮って、どんな栄養があるんでしょうか?上手に食べる方法もご紹介します。
皮に豊富に含まれるβ-クリプトキサンチンとは?
みかんの皮に多く含まれている成分として、β-クリプトキサンチンがあります。これは柑橘の皮に多く含まれている橙色の色素で、カロテノイドの一種なんです。
このβ-クリプトキサンチン、特に温州みかんの皮に多く含まれていると言われていて、体にいい効果をもたらしてくれるんですよ!
まず、食べることで免疫力がアップして、発がん物質から体を守ってくれるんです。抗酸化力が高いと言われているカロテノイドの仲間、β-カロテンの5倍もの効果があるんですって!
また、血糖値を正常に保つ働きがあり、糖尿病の進行を抑える効果もあります。脂肪細胞を大きくするのを抑えてくれるので、メタボリックシンドロームの予防にも♪
さらに、骨を作る働きを促進して骨粗しょう症を予防する効果や、肌のヒアルロン酸の量を増やして、美肌効果もあるんですよ!女性にはうれしいですね。
ただし、飲酒や喫煙をすることで、β-クリプトキサンチンが消費されて減少することがわかってきました。効果的に摂りたいなら、お酒やたばこと一緒に摂らない方がいいかもしれませんね。
他にもこんなに!みかんの皮に含まれる栄養♪
みかんの皮には、他にも次のような栄養があるんですよ。
コラーゲンの生成を助けて、皮膚や粘膜の健康を維持したり、メラニン色素を抑えたりする働きもあるので、肌荒れ予防やシミ対策にもピッタリなんですよ。
ヘスペリジン(ビタミンP)
ポリフェノールの一種で、皮や筋に多く含まれています。体を温めたり、ビタミンCを壊れにくく吸収しやすくしたりする働きがあります。
毛細血管を強くして、血流を改善してくれるので、冷え性や美肌にも効果的♪血中コレステロールの改善、アレルギーが出るのを防ぐ作用、発がんを抑える作用などあるんです。
ペクチン
水溶性食物繊維で、筋に多く含まれています。コレステロールや糖分の吸収を抑えてくれるので、血糖値の上昇を防いで、太りにくくします。
また整腸作用があり、老廃物を排出するので、吹き出物などの予防に効果的。さらに、しわやたるみを防ぐ効果もあって、女性には嬉しい栄養素なんですよ♪
他にも、利尿作用のあるカリウムや疲労回復に効果のあるクエン酸、血中コレステロールを抑制するテレビン油などが含まれています。
みかんの皮って、実は果肉よりも栄養があるんですね。捨てるのはもったいない!でも皮をそのまま食べるのはちょっと…と思いますよね。皮を食べるには、どうしたらいいのでしょうか?
漢方薬にも使われている!「陳皮」の効果と食べ方
実はみかんの皮、漢方薬では広く使われていて、陳皮(ちんぴ)と呼ばれています。みかんの皮を乾燥したもので、七味唐辛子やカレーなどにも入っているんですよ。
陳皮の効能としては、胃の働きを高める、咳を静めてたんをきる、といった効果があると言われています。ですから、昔から食欲不振の治療や、風邪の予防にも使われているんですよ。
陳皮は、家庭でも簡単に作ることができます。皮をきれいに洗い、ざるに広げてカラカラになるまで2,3日天日干しして、ミルサーやすり鉢などで粉末にすれば出来上がり。
使うみかんは、国産の無農薬のものがベストですが、手に入らなくて残留農薬が気になる場合は、重曹で洗う、ぬるま湯で洗う、塩水や酢水につけるなどすると、かなり農薬が抜けます。
食べ方としては、味噌汁や煮物、湯豆腐、うどん、鍋等に振りかけるのがおススメ!柑橘系の香りがして、さっぱり食べられます。
ハーブティのようにして飲むのもいいですが、少し苦みがあるので、砂糖を少し加えると飲みやすいですよ。風邪の時には、これを1日3回ほど飲むと効果があるとか。
ぜひ自家製の陳皮を作って、試してみてはいかがでしょう。
他にもこんな食べ方が♪
陳皮もいいけど、他にも皮ごと食べられるような方法があるんですよ。
皮を洗って刻み、砂糖を加えて加熱してジャムにする。パンやケーキにつける、紅茶やヨーグルトに入れるなどする。
焼きみかん
みかんを皮ごとよく洗って水分をふき、焼き網に乗せて転がしながら、皮が黒くなるまでじっくりと弱火で焼く。そのまま丸ごと食べる。
みかん鍋
山口県周防大島の郷土料理で、丸ごとみかんと魚介が入った鍋。焼いたみかんを鍋に入れて煮て、みかんはそのままかじって食べる。みかんを入れることで、魚介類の臭みが消える。
みかんって、加熱して食べるイメージはないですが、加熱することで、皮に含まれている栄養が果肉に移って、栄養を逃さず食べられるんです。
また加熱することで、より甘みが増して、実も皮もおいしく食べられるんですよ。少し甘みが少なくなったみかんを焼くと、甘くなっておいしく食べられるのでおススメです。
また、みかんは水分が多いので、体を冷やす食べ物なのですが、温めることで体までポカポカしてきます。冷え性にも効果的!なんですね。
みかんの皮って、意外と身近で食べられているものだったんですね。皮さえきれいに洗えば、結構簡単に加工して食べられるのがいい!
乾燥しておけば、みかんが手に入らない季節でも、みかんの皮の栄養が手軽に摂れていいですよね♪これからは捨てないで、みかんの皮でおいしく栄養補給しましょうね。
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