梅の種には毒がある!飲み込んじゃったけど大丈夫?梅酒や梅干しは?
梅酒や梅干し、ジャムなど色んな食べ方が楽しめる梅。我が家でも梅が旬を迎えるシーズンには梅仕事に忙しいです。
梅酒なら青梅、ジャムなら完熟梅、というように使い道に応じて熟れ具合を使い分けるのが、一般的です。実際に、梅酒用として青梅を販売するお店も多いですよね!
実は、この梅の種には毒が含まれているんです。ふだんから身近な食材だけに気になりますよね。梅干しの種なんて、がりがり噛み潰して食べたこともよくありますし・・・。心配です!
そこで今回は、梅の種にはどんな毒が含まれているのか、どんなことに注意すればよいのかについてご紹介いたします。
梅の種に毒?!未熟な梅には特に注意!
梅雨の時期、青い梅が店頭に並び始めるととてもいい香りがしますよね。実は、この香り成分と梅の種の毒には、少しばかり関係があるんです。
梅の種にはアミグダリンが含まれています。
アミグダリン自体は無毒ですが、酵素などで分解されると猛毒の青酸を作り出します。この時に、同時に作り出されるのも香り成分なんです。
香り成分には毒性はありません!問題なのは、青酸です!もしも、青酸が本当に体内で発生してしまったら、たちまち中毒症状に襲われます。
- 頭痛
- めまい
- 嘔吐
- 血圧低下
- 呼吸困難
- 痙攣
- 心停止
青酸は鉄と結合しやすく、体内で鉄を奪われると、生きるために必要な酸素を利用できなくなるのです。あらゆる体の機能が止まっていき、やがて死に至ります。
特に、アミグダリンは未熟な果実には多く含まれており注意が必要です。多くが種に存在していますが、果実にも含まれていることがあります。
飲み込んじゃったりかみ砕いてしまったけど大丈夫?
私もそうなんですが、今までで何度も梅の種を食べてしまったことがあります。子供のころ、お友達と競って梅干しの種をかみ砕いたり、食事中に種を間違って飲み込んだり・・・。
それでも、特に体調は変わりなく過ごしていたのですが、毒があると知ると心配になりますよね!
中毒を起こすには数十個から数百個!
青酸の致死量は、体格などにもよりますがアミグダリンが分解されて遊離した状態で60mg。これだけの量をアミグダリンでとるとなると、梅の種を数十個から数百個食べなくてはならないんです!
梅干しにしても一度にそうたくさんは食べませんし、種ごととなるとさらに難しいですよね。
ですから、普通の食生活であれば問題ないといえます。何も知らないで青梅をかじってしまったり、食事中に間違って飲み込んだり程度では中毒の心配はありません。
ただ、生の青梅の種を噛み潰して食べるのはやはり危険です。子供やお年寄りなど体の弱い方や敏感な方は、お腹を壊したり、体調を崩すこともあるので避けた方が良いですね。
このような注意を伝えるために、昔から梅は種まで食べないように様々な言い伝えがされています。これも健康に生きていくための、生活の知恵だったのですね。
梅酒や梅干しはなぜ食べても大丈夫なの?
そうはいっても、種ごと使う場合がほとんどの梅。種ごと漬ける梅酒には、エキスがいっぱい出てますし、これって大丈夫なんでしょうか?
アミグダリンは加工する過程で分解されていく
梅干しは塩漬け・天日干して作られます。梅酒は、砂糖などと一緒にアルコールに漬け込みます。このような加工の過程で、アミグダリンは分解されていきます。
食べる頃にはかなり微量になり、人体に影響がなくなっています。なので、梅干しも梅酒も安心して食べられるんですね。
では、よく熟れた梅でジャムをつくる場合はどうでしょうか?レシピによりますが、種ごとに込んで作る場合も多いです。
成熟するとアミグダリンは減少します
未熟な時には多かったアミグダリンも、熟していくと徐々に減っていきます。食べても体内で青酸が生じる心配もほとんどなくなります。
なので、よく熟れた梅でジャムを作るのは安心なんです。また、梅酒から取り出した梅を使って、さらにジャムにする場合も安心です。十分に加熱すると、さらにアミグダリンが減っていきます。
梅は、豊富なクエン酸で疲労や夏バテを解消したり、体のバランスを整えたり、血流を良くしたりする成分が含まれていたりと様々な効能が得られます。毒があると聞くとびっくりしますが、正しい知識があれば大丈夫!
おいしく安全に梅を活用して、健康に役立てていきたいですね♪
梅と同じバラ科の植物でも、同様の種の毒があります。参考になさってください♪
ビワの種は食べるとなぜ危険!?その理由と人体への影響について